世界の名所(洋行さんの台湾・旅行記)のお話 
 
       2014年2吉日 
【ちょっとコーヒーブレイク】
 「Sさん、ご無沙汰です。  年末に台湾とベトナムを
 旅してきました。」「旅行記も(*^_^*)」 
 と、洋行さん(仮称)よりご投稿がございましたので、
早速ご紹介です。

 2014年12月 台湾−ベトナム11日間の旅

 台湾往復の運賃に5千円を上乗せすればベトナムまで
 足を延ばすことができるという航空券をチャイナエアー
 で発売していた。もちろん台湾で降りて観光することも
 可能だ。日程をどうするか迷うところだが、今回は半々
 で分けてみることにした。

 台湾では高雄と花蓮でのんびりとサイクリングを楽しみ、
 ベトナムではハロン湾のカットバ島で脱力して読書でも
 してみたい。いずれもすでに訪ねたことのある
 土地なので 緊張することもなく過ごすことができるだろう。

 啄木の一握の砂の一節
 「何となく 汽車に乗りたく思いしのみ、汽車を降りしに
 行くところなし」彼が、さしずめ現代に生きていれば汽車
 でなくジェットとなるのだろう。

 12月11日     一日目 in 台湾
 関西空港12時10分発 高雄14時55分着のフライト 
 リムジンバスは通勤時間帯にかち合うので少し余裕をもって
 8時発に乗車することにした。が、空港には9時15分頃
 着で心配するほどの遅れはなかった。 

 台湾の南玄関である 高雄は、前回は台北まで飛んで
 そこから新幹線で高雄に向かった。 今回は一気に高雄
 まで飛んで、空港から地下鉄を利用し市内に向かう短絡
 コースを利用した。  航空運賃は距離と関係なく日台間
 は同一料金となっており 台北も高雄も同じだが、ベトナ
 ム航路は 台北から飛んでいるので出国はそちらに移動
 しなければならない。 

 高雄空港で入国し 地下鉄の空港駅に降り立ったのは
 15時30分ころになっていた。

 そこからホテル最寄駅まで10分少々。 駅から歩いて
 約10分1年半ぶりのホテルに着いた。 同じホテルを選
 だのは 自転車を無料で借りることができるのと、朝飯付
 き、ホットコーヒーはいつでも飲むことができるというサー
 ビスがあるのが魅力。

 冬は日が短く 顔を洗って外出するころは すでに薄暗く
 なりかけていた。
 大阪からは、かなり南に移動したが、やはり少し肌寒く
 現地の人はコートを着ている。 

  
 夕食は、有名な小籠包(ショーロンポー)、ラーメン
 それに豚肉

  費 用  台湾ドル 日本円
ホテル2泊分 2,360 8,260
バス往復 27 95
地下鉄市内へ 25 88
夕食 320 1,120
合 計 9,563

  12月12日       二日目 in 台湾

 今日は自転車を借りて 廃線跡のサイクリングロード、旗津、
 愛河の河川敷などを走ってみようと思う。 

  7時にホテル1階の食堂で朝食をとりコーヒーを部屋で飲ん
 だ後、9時前に自転車でホテルを出発した。 先ず向かった
 のは近くの公園で小さな石(雨石)を敷き詰めている上を裸足
 で歩いてみる。

 最初はかなり痛みがあるのだが、しばらく歩いていると 慣れ
 てきたのか気持ちがいい。 この公園は足を大きく広げて歩く
 器具とか、うでを大きく回転できる器具など健康増進に役立つ
 ものが 備えてあり近所の人達がきて それぞれ体力つくりを
 している。  こうした器具の備えてある公園は日本にあまり
 存在しない。もっと真似をしてもいいように思う。



 半時間ほど 石の上を歩いた後は少し足裏が温まったよ
 うだ。 次は街を通り抜けて海辺のサイクリングロードに向
 かう。 かつては、輸出する貨物を貨車が臨港線を通って
 倉庫に運んだものだが、今やトラック輸送が主体となり鉄
 道輸送では時間がかかりすぎて 邪魔者となってしまった。

 その廃線跡をうまく利用してサイクリング道路ができた。総
 延長は10キロほどあると思う。  ゆるやかなカーブ、それに
 勾配などは自転車をこぐにはとてもやさしい。沿線には線路
 を少し残した上に 休憩する台などやカラフルなオブジェなど
 があり使用していない倉庫群は美しく整備されており景色
 を楽しみながら走ることができる。

 やがて広大な敷地の旧高雄港駅跡に到着。 線路はその
 まま残してあり、線路の間には土を埋めて緑地に改造して
 前に来たときはコスモスが咲いていた。  また 貨車のフラ
 ット台車の上には怪獣が2匹戯れているような植木でできた
 置物がある。

 遊び心をうまく利用したものだ。その背景にはかなりの時間
 と費用をかけているに違いない。  日本の廃線跡がこれほ
 どまでにスケールが大きく 地元の人たちの憩いの場所とし
 てつかわれている例は 残念ながら無い。

 神戸港では廃線跡のごく一部がみなとの森公園として利用
 されているが自転車道は皆無だ。

 次に向かうのは旗津という長洲でできた細長い島にフェリー
 で渡る。ここには海辺の堤防にそって片道約8キロの自転
 車道がほぼ一直線に伸びている。 


  怪獣2匹 

 島の半分は古い住居区で、残る南半分は港湾としてコンテ
 ナー倉庫が並んでいる。
 神戸と異なるのはこの島が自然にできた天然の良港であり
 時代に適応するようコンテナーターミナルとして改造されうま
 く利用されている。今や神戸港をはるかにしのぐ東南アジア
 のハブ港の一つとして成長を遂げた。 

 今日の天気は少しガスがでており遠くの先端はみえないが、
 船の出入り、空にはジェット機が時折 轟音と共に降りてくる。

 平日のせいかこの付近でサイクリングしている人は見かけな
 かった。 一旦フェリーで本土にもどり 次は食事のあと愛河
 の河沿いの自転車道を走ろうと思う。 



 愛河は高雄のセーヌ川と呼ばれ夜にはライトアップして観光
 船も往来する両岸には並木があり 遊歩道あり、自転車道
 ありの緑地帯となっている。 自転車道は全部河川敷では
 ないので道路と交差する箇所がいくつかあるのだが、淀川
 サイクリングコースと違い、すぐ近くに店やマンションがあり
 生活の匂いがうかがえる。



 河口から遡ること小一時間で川幅も細くなり分岐したりして
 いつの間にか地下を流れるようになり、街の雑踏の中に入っ
 てしまった。これでは興ざめなので同じ道を引き返す。

 途中に雨石が敷き詰めてあるところが2か所あり そこでも
 遊んだ。

 服装はTシャツに長そでのシャツ、その上に網目のチョッキ。
 気温は18度前後か自転車をこぐと少し汗ばむ。

 ホテルに戻ったのが4時半。充分サイクリングを楽しんで快
 い疲労感。

  愛河の遊歩道 少し部屋で休んでから、夕方明日の特急列
 車の切符を求めに高雄駅に地下鉄で行く。昼食にショーロンポー、
 麺などを食べて腹持ちがよく 夕食時になってもあまり空腹感
 がないので駅からの帰途 コンビニ(セブンイレブン)でヨーグ
 ルト、パン、ジュースなどを求めて部屋で食べた。 

費用  NT DOLL 日本円
フェリー 20 70
昼飯 380 1,330
地下鉄 40 140
夕食 83 291
花蓮 切符 707 2,475
合 計   4,306

 12月13日         三日目 in 台湾
 今日は高雄から鉄道を利用して太平洋側にある美しい街 
 花蓮に移動する日だ。 
 台湾には東寄りに標高の高い山脈が、壁のように立ちは
 だかり東西の交通を阻害していた。そのため 東側には
 昔から、少数民族がそれぞれの文化を継承して独自の文
 化を持っているという。 鉄道も高雄の南、坊寮から東側
 台東までの区間は最もおそく開業している。

 以前はバスで高雄から台東に行ったことがあるが、山道
 を越えてずいぶんと時間がかかった記憶がある。
 今回、高雄から台東までの初めての乗車、これで台湾一周
 の路線を走破したことになる。

 高雄8時45分発花蓮12時55分着の気動車特急は一日
 数本しか走っていなく、その中でも 所要時間のもっとも短
 い列車である。 平日であるにもかかわらず、ほぼ満席の
 状態だった。 昨日予約しておいて良かったと思う。

  列車は高雄市内をすぎると緑の多い平地を疾走し大きな
 街並みがあると停車してゆく。途中のあちこちで高架複線
 化の工事がたけなわだ。
 
 車窓右手に東シナ海が近くにみえると ほどなく線路は山
 側にカーブし山岳区間はトンネルでつきぬけて 一直線で
 太平洋側に向かう。 車内は坊さん、親子連れ、若者の
 グループなどで満席だが 割と静けさを保っている。 

 ときおりローカルの小さな駅を時速90−100キロで通過し
 てゆく。  人口の少ない亜熱帯の緑の木が多く茂る区間を
 1時間半ほど無停車で快走した。

 我が席の隣と通路をはさんで反対の席には7−8名の学
 生グループが乗車している。

 対面の席に男女のカップルが席にいるのだが、それぞれ
 にアイフォンを操作するのに夢中で、ほとんど会話がない。

 イヤホンで音楽をきいてそれぞれの時間をつぶしている。 

  列車が太平洋の近くに出たときは、眺めがいいのか、二
 人とも携帯のカメラで海を写していた。撮影がおわると 
 ふたたびそれぞれの世界に没頭する。 これでいいのだ
 ろうか とも思う。 

 列車は台東をでると海から離れて、山側の穀倉地帯を北上
 する。古い線路のカーブを改良し新しい直線ルートに移動し
 高速化する工事があちこち見受けられる。古い線路跡には
 部分的に自転車道として生まれ変わっているのだが、 両端
 が線路に合流しているのであまり利用者はないようだ。

  この付近に北回帰線があるはずだ。 夏至の昼は、太陽が
 真上に来るため 自分の影がほとんどない状態になるという。

 やがて列車は定刻に終着花蓮駅に滑り込んだ。くだんの学
 生たちは それぞれ仲間と会話しながら和気あいあいあと
 ホームに降りて行った。

 出口をでてすぐに明後日の台北行きの指定を取っておきた
 いので、予約切符売り場に向かう。 数ある列車の中で新型
 の特急車両に乗ってみたいと思う。

  車窓

 カーブでも速度の出せる振り子列車で日本製車両がここで
 活躍し始めたばかりだ。
 窓口に並ぶこと10分ほどで、ようやく指定券を手に入れる。
 窓側はすでに売り切れていた、駅から旧市街にある民宿
 までは 路線バスに乗車して市内までゆき、その後、人に
 聞きながら雨の中をやっとたどり着いた。 

費用  台湾ドル 日本円
民宿2泊分 2,600 9,100
バス 23 81
昼飯 110 385
夕食 130 455
 合 計 10,021

  ATMでNTD(台湾ドル)3,000を引き出す。

 12月14日         四日目 in 台湾

 昨夜 夕食のワンタン、ショーロンポーなどを食べて民宿
 に戻ってきたところ 民宿の
 主人が玄関のテーブルで、一人の日本人客を相手に酒を
 飲みながら雑談していた。

 主人に声をかけられて同席することになった。 民宿は
 日本人の片桐さんが台湾人の奥さんとフィリッピンから
 来たお手伝いさんの3人で経営しており主人が暇なとき
 は玄関でこうして話をしたり、聞いたりするのが好きだとか。

 地元の少数民族の首狩り族の話やら、民族の調査に
 日本から1か月近く滞在する人がいて、片桐さんが、民
 族の首長と会って、調査に協力して昔の家系図がかな
 り判明した話など、気が付けば深夜1時半ころになっていた。 

 朝目覚めたのは すでに8時を回っていた。 近所の食堂
 で助六寿司と味噌汁などを食べて今日の予定であるサイ
 クリングを借りに主人に教えてもらった店に向かった。

 15分ほど歩いてたどりついたのだが、土曜日の9時過ぎ
 に閉まっているということはつぶれたのかもしれない。
 たしか おんぼろだが、民宿にも4台ほど自転車があった
 ので、それを借りることにした。

 海沿いの自転車道なので たいしたアップダウンはないと
 思うので、ママチャリでも問題はない。天気は曇りだが、今
 にも降りそうな あやしい空模様。 野菜などが並び賑わう
 朝市を通りをぬけて国道を横断すると海岸に沿うように自
 転車道があった。
 
 国道を地下にうめてその上を自転車道にしたり 丘を切り
 通しにして道を整備したりとかなり情熱をかけてつくった素
 晴らしい自転車道だ。



 しばらくすると花蓮港から貨物列車が機関車にひかれ出庫
 してきた。 このあたりから北は工場地帯で景色は楽しめな
 いが、それをすぎると急に緑多い丘の草原の中にでて はるか
 遠くゆるやかにカーブした海岸線と青い海原が見下ろせる素
 晴らしい展望が開ける。

 七星潭という海辺近くの休憩所は車からでも立ち寄ることが
 でき、人で賑わっていた。さらにその奥は遊歩道のような細い
 小道がしばらく続きやがて展望台にでて道がとぎれた。

 帰途は国道にでて コンビニでパンと牛乳を店内のテーブル
 で食べた。その後さらに駅に向かって走ると食堂があり
 そこでも焼き飯とスープを食べる。 北埔駅近くの踏切でし
 ばし通過する列車をながめたり、撮影したりと充実した時
 間を過ごした。

 しかし、小雨がぱらついてじっとしておれず、花蓮方向に
 向かって 別の道をとおり戻っていった。 国道の短絡した
 道なので意外と早く戻れたようだ。 やがて雨の中、川を
 渡ると旧市街の繁華街にでた。民宿はもう近い。 

 夕食は飲茶で有名な店に行く。店内では自分の欲しいもの
 を陳列の中に、指さして出してもらう方式で言葉はいらない。
 おかゆは、でき次第テーブルに運んでくれる。結構ボリュー
 ムがあり満腹になり 〆には、中国茶で腹の油を落とした。 


 粥の店

費用  NT DOLL 日本円
朝飯 50 175
昼飯 パン・コンビニ 72 252
昼飯 焼飯 100 350
夕食 飲茶 500 1,750
 合 計 2,527

 12月15日         五日目 in 台湾   
                                                        
 今日は台北に移動する日だが、朝からあいにくの雨模様。
 列車は11時20分発なので、ゆっくりと身支度ができる。

  昨日と同じ食堂で寿司、味噌汁、ギョーザなどを食べてから
 部屋に戻りNHKテレビを見るともなく見る。画面は三陸の
 津波の記録映像とその後の街並みなどを写していた。

 部屋にいても退屈なので喫茶店で時間をつぶそうと、チェ
 ックアウトして 外にでることにした。  時間はまだ9時45分。
 旧市街の歩道をトランクを引きずりながら駅方面に向かって
 歩く。

  バス停があるのだが、時刻表がないのでいつ来るのか見当
 がつかない。 人の多い場所なので、待っていればそのうち
 に来るだろう。最悪歩いて行く時間はある。

 道路に面した軽食店でコーヒーを飲みながら バスを待っ
 た。心配するまでもなくバスはどこかの路地から現れて
 こちらに向かってきた。手を挙げるとウィンカーをつけて
 止まってくれた。バスは小型のハイデッカータイプで7,8
 の乗客を乗せていた。

 駅前に10時半頃 到着。 バス停のすぐ近くにはレンタ
 サイクル屋が営業をしており、雨の中自転車で出てゆく
 準備をしている人が数名いた。

 花蓮は 大理石を産出する山が背景にあるため、歩道とか、
 駅のホームにも大理石がおしみもなく ふんだんに使われ
 ている。 

 やがて改札が始まりホームに入った。 ごく最近 日本から
 やってきた特急電車はピウマと赤のロゴが入っている。

  この付近の少数民族の名を 列車の愛称としたという。
 20年くらい前は、台湾の東側は単線非電化でローカル線
 の雰囲気が漂っていたのだが、線路もめまぐるしく成長を
 とげて、花蓮から北は複線電化され高速化が実現した。   

 カーブでも俊足で走れる振り子式の車両を日本から購入し
 て台北ー花蓮の所要時間をこれまで3時間程かかってい
 たのを、わずか2時間に短縮した。 

 指定のとれた我が席はあいにく車両の最前部の通路側で
 車窓を楽しむには困難であったのだが、スピード感は充分
 感じることができた。


  振り子式特急電車

 花蓮11時20分発 台北13時25分 地下ホームに余裕で
 滑り込んだ。 依然として雨が、降り続いており やや肌寒い。 

 今日のホテルは明日早朝に出発しなければならないので 
 駅近を予約していた。 まだチェックインには早すぎで しば
 し時間を持て余し、百貨店の喫茶に入り時間をつぶした。

 夕食はまず庶民料理屋でわんたん。



  その後、上品なレストランで豚肉 を柔らかく煮たもので 口の
 中に 入れるととろけるような感触がある東披肉というものを
 食べた。

費用  台湾ドル 日本円
朝飯 59 207
コーヒー 2度 170 595
バス 23 81
車内弁当 80 280
夕食 575 2,013
ホテル 1,700 5,950
 合 計 9,126
 
 6日目からはベトナムへ移動しての旅行記です。 つづく。


 いらっしゃいませタイランド